証人尋問報告
裁判が始まって3年半,12月15日(木)・21日(水)にヤマ場の証人尋問が行われました。
原告側の原崎道彦さん(原告団長;中執委員長):主尋問では賃下げの団体交渉の経緯が説明され,運営費交付金減額の見込みの根拠書類もなく,シミュレーションも実施されないまま賃下げが提案・強行されたことが改めて確認されました。
被告側の梅原陵一・財務課長補佐:主尋問では会計制度の説明(剰余金の現金の裏付けなど),「金がなく賃下げは止むを得なかった」,「通則法の『社会一般の情勢』に従えば正当」,「財政が厳しく不可避なのは自明であったのでシミュレーションは行わなかった」と,数字の裏付けのない従来の主張が展開されました。反対尋問では,附属病院に関する被告の主張(高い流動比率の根拠である/独立採算である)に関する問題点が,他大学との比較や法律的な視点から示されました。また,物件費に流用した法定福利費減少分を12年夏にようやく行ったシミュレーションに算入しておらず大学当局にとって賃下げ圧縮は検討する気さえなかったことが改めて確認されました。裁判官からの質問では,予算の組替えにより目的積立金による人件費補填が可能であることも確認されました。
原告側の中道一心さん(前中執副委員長:16年4月に同志社大に転出):主尋問では,多忙な中で人並みに業績を残しても昇任できず,出張費にも事欠き,給与の交渉に大学側の誠実さを欠く,という高知大の現状から,研究者としての展望を求めてやむを得ずという転職の背景が確認されました。
報告会では全大教,岡山大・山口大教組,高知県労連からの傍聴支援者の皆さんにもご参加頂き,証人尋問の成果や全国の動向の報告に加えて,少なすぎる賃下げ団交(2回)など関する議論が交わされました。今後は1月末の最終準備書面の提出を経て,早ければ2月17日(金)の口頭弁論で結審となる見込みです。
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